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2012年8月 3日 (金)

株式会社クラヴィスに対して生じた過払い金を SMBCコンシューマーファイナンス株式会社(旧商号・プロミス株式会社)に対して請求し,勝訴した事案

【株式会社クラヴィスに対して生じた過払い金を SMBCコンシューマーファイナンス株式会社(旧商号・プロミス株式会社)に対して請求し,勝訴した事案】
平成24年8月3日(金)

お久しぶりです。
大阪の弁護士です。

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社(旧商号・プロミス株式会社),訴外株式会社クラヴィスに対する判決を公開します。

株式会社クラヴィスに対して,訴外で過払い金を返還請求しても,2%とか3%の支払いにしか応じません。
また,判決をとって執行しても,差し押さえるものがない状態です。
加えて,平成24年7月5日,午後5時,大阪地方裁判所において,破産手続開始決定を受けました。
これにより,株式会社クラヴィスに対する過払い金返還請求の途は閉ざされた可のようです。

しかし,株式会社クラヴィスから旧プロミス株式会社へ業務を移行させた際に,業務提携契約を結んでおり,顧客に対しても,株式会社クラヴィスから旧プロミス株式会社への契約を締結させるという作業を行わせています。

これに対しては,既に,最高裁判所で旧プロミス株式会社が債務を負うという判決が出ているところです。本判決は,手許に業務提携契約に関する証拠がない場合であっても,文書提出命令を使って,立証を擬制する方法で立証したものです。

本判決は,簡易裁判所の判決ではありますが,今後の参考になると考え,公開することにしました。

クラヴィス相手の過払い金返還請求を,即座に断念することなく,一度SMBCコンシューマーファイナンス株式会社(旧商号:プロミス株式会社)に対する過払い金返還請求を検討してみてはどうでしょうか。

平成24年7月26日 判決言渡 同日判決原本受領 裁判所書記官
平成23年(ハ)第41307号不当利得返還請求事件
口頭弁論終結日平成24年6月28日
判決
原告○○
原告△△
原告ら訴訟代理人弁護士 佐野隆久
東京都千代田区大手町一丁目2番4号
被告 SMBCコンシューマーファイナンス株式会社(旧商号・プロミス株式会社)
同代表者代表取締役主Y

主文
1 被告は,原告○○に対し,金36万9560円及び内金36万6002円に対する平成23年8月29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告は,原告△△に対し,金36万9560円及び内金36万6002円に対する平成23年8月29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 訴訟費用は被告の負担とする。
4 この判決は,仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求
   主文と同旨
第2 事案の概要
1 請求原因の要旨
(1) 当事者
被告は,貸金業者でああり,原告らは一般市民であるところ,原告○○及び原告△△は,訴外亡□□の実父母である。
本件契約当事者である訴外亡□□は,平成○○年○月○○日に死亡し,原告○○及び原告△△が相続した。
(2) 原告らの被告に対する請求
ア 訴外亡□□と被告間の契約について
(ア)訴外亡□□は,訴外株式会社クラヴィス(以下,「訴外クラヴィス」という。)との間で,契約番号【略】(以下,「契約A」という。)の契約を締結し,その後,同契約は被告に債権切替がなされた。
(イ)訴外亡□□は,被告との間で,契約番号【略】(以下,「契約B」という。)の契約を締結した。
イ 契約Aに関する不当利得について
σり訴外亡□□は,訴外クラヴィス及び被告との間で,契約Aに基づき,別紙利息制限法に基づく法定金利計算書1(以下,「別紙計算書1」という。)記載のとおり,借入,返済を繰り返し,これを利息制限法所定の制限利率に引き直し計算すると,金73万2004円の過払金が発生し,被告は,訴外亡□□の損失によって同額の利得を得た。
(イ)被告は,悪意の受益者と言えるから,別紙計算書1記載のとおり,相続の発生した平成23年8月28日当時,金73万2004円の過払元金及び過払利息8万4906円が発生した。
ウ契約Bに関する借入金債務について
訴外亡□□は,被告に対して,契約Bに基づき,別紙利息制限法に基づく法定金利計算書2(以下,「別紙計算書2」という。)記載のとおり,相続の発生した平成23年8月28日当時,借入債務金7万7789円(内訳,残元金7万7143円,未払利息金646円)を有していた。
工 相続の発生
(ア)本件契約の当事者である訴外亡□□は,平成23年8月28日に死亡し,原告○○及び原告△△は,各々訴外亡□□の相続財産の2分の1を相続した。
(イ)契約Aについて
平成23年8月28日当時,原告○○は,被告に対し,過払元金36万6002円及び過払利息4万2453円の債権を有し,原告△△も,原告○○と同額の債権を有していた。
(ウ)契約Bについて
平成23年8月28日当時,原告○○は,被告に対し,3万8895円(端数切り上げ)の借入金債務を負い,原告△△も,原告○○と同額の債務を負っていた。
オ 過払金と借入金債務との相殺
本訴状の送達をもって,原告らは,被告に対して有する前記不当利得に基づく返還請求権と前記借入金債務とを対当額で相殺する。
(相殺の結果,平成23年8月28日時点で,原告○○は,被告に対し,過払元金36万6002円及び確定過払利息3558円の不当利得返還請求権を,原告△△もこれと同額の不当利得返還請求権を,各有することとなる。)
カ 結論
よって,原告○○は,被告に対し,不当利得返還請求権に基づき,金36万9560円及び内金36万6002円に対する平成23年8月29日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求め,原告△△も,被告に対し,原告○○と同額の支払いを求める。
2 争いがないか,証拠及び弁論の全趣旨により認められる事実
(1)訴外亡□□と訴外クラヴィスとの間において,平成13年8月12日から平成19年10月11日までの間,そして,訴外亡□□と被告との間において,平成19年10月11日から平成23年8月11日までの間,それぞれ,別紙計算書1の「年月日」欄記載の年月日に「借入金額」欄及び「弁済額」欄記載のとおりの取引が行われたことは当事者間に争いがない。
(2)また,訴外亡□□と被告との間において,平成13年8月16日から平成23年8月11日までの間,別紙計算書2の「年月日」欄記載の年月日に「借入金額」欄及び「弁済額」欄記載のとおりの取引が行われたことは当事者間に争いがない。
(3)証拠によれば,本件契約当事者である訴外亡□□は,平成23年8月28日死亡し,同人の実父母である,原告○○及び原告△△が,各々訴外亡□□の相続財産の2分の1を相続した事実を認めることができる。
3 被告の言い分
(1)取引Aの,訴外亡□□と訴外クラヴィスとの取引において,訴外亡□□から支払われた金員は,訴外クラヴィスが収受していたものであるから,原告らが過払金返還請求をする先は,訴外クラヴィスであって,被告ではない。
 この点,原告らは,被告と訴外クラヴィスとの間に締結された業務提携契約において被告が訴外クラヴィスの債務を併存的に引き受けた旨主張するが,当該規定は,平成20年12月15日付け「業務提携契約書に係る変更契約書」により変更されており,現に有効なものではない。また,当初の債務引き受けに関し,訴外亡□□による受益の意思表示は,なされていなかった。
(2)被告が悪意の受益者であるとの点は,争う。
4 争点
(1)被告は,訴外クラヴィスの過払金の返還義務を承継したか
(2)被告は悪意の受益者か

第3 当裁判所の判断
1 争点(1)(被告は,訴外クラヴィスの過払金の返還義務を承継したか)について
(1)まず,原告らは,平成19年10.月11日当時,被告と訴外クラヴィスとの間において,被告が訴外クラヴィスの債務を併存的に引き受けたこと等に関し,効力を有する業務提携契約が締結されていたとして,被告に対し,当該業務提携契約書の文書提出命令を申し立て,当裁判所において,平成24年5月23日付けで被告に対し,同文書提出命令が発せられたが,被告は,提出期限を経過するも,当該業務提携契約書面を提出しなかった。
 よって,原告らは,「同業務提携契約書には,被告が訴外クラヴィスの顧客に対する過払金返還債務を併存的に引き受けることが定められていた」という原告らが証明すべき事実は,真実であったと擬制される旨主張するところ,この点について被告は特に反論をしない。
 また,被告第1準備書面によれば,被告自身,「当該業務提携契約において,被告が訴外クラヴィスの債務を併存的に引き受ける旨の合意をしていたとしても,その後の平成20年12月15日付け『業務提携契約書に係る変更契約書』により,当該契約は変更されており,現に有効なものではない」
旨主張するところである。
 以上によれば,原告らが主張するごとく,平成19年10月11日当時,被告と訴外クラヴィスとの間で,被告が訴外クラヴィスの顧客に対する過払金等返還債務を併存的に引き受ける旨を合意した「業務提携契約」が存在していた事実を認めることができる。
(2)次に,被告は,上記業務提携契約は,平成20年12月15日付けで変更されており,それまでに訴外亡□□は受益の意思表示をなさなかったから,被告は訴外クラヴィスの過払債務を承継しないと主張する。
 よって検討するに,上記業務提携契約中の併存的債務引受についての合意は,第三者のためにする契約(民法537条)に該当すると考えられるところ,その後,訴外亡□□により,平成19年10月11日に切替手続きが行われた際,店頭において作成されたと思われる「申込書」と題する書面(乙3号証)の内容によれば,訴外亡□□は,契約Aに基づく約定残債務にかかる訴外クラヴィスの債権を被告に承継させるための,形式的な会計処理として,訴外クラヴィスに対する約定残債務相当額を被告から借り入れ,その借入金をもって上記約定残債務額を弁済するという処理を行うことを承諾したものと考えられるところ,このような訴外亡□□の行為は,一面において,訴外クラヴィスに過払金返還債務が存しているような場合には,被告が訴外クラヴィスの過払金返還債務を引き受けることを認める旨の,受益の意思表示をしたものとして評価するのが相当である。
 そうすると,その後,被告と訴外クラヴィスとの間で,被告が主張するように平成20年12月15日付けの変更契約が締結されたとしても,これをもって,既に訴外亡□□に発生していた権利が変更したり消滅するものと見なすことはできない。
 結局,被告は,訴外クラヴィスの過払債務を承継したものと認めるのが相当である。


2 争点(2)(被告は悪意の受益者か)について
 別紙計算書1,同2によれば,原告らは,訴外クラヴィス及び被告との間の一連の取引を通じて,これら貸金業者側を悪意の受益者として過払利息の算出をし,本件請求を行っているものと思料されるところ,貸金業者は,利息制限法の制限利率を超える利息の受領を許容する貸金業法43条所定の要件を具備すると信じ,かつ,そのように信じたことについて合理的で相当な特段の事情のない限りは,超過利息を受領する法的権限がないことを知りながら受領する,つまり悪意の受益者と推認するのが相当である。
 しかるに,被告は,上記特段の事情について具体的な立証をしないし,本件において,上記特段の事情を認めるべき証拠もないから,民法704条前段の悪意の受益者であるというべきである。

3 結語
 以上によれば,別紙計算書1及び同2の結果に基づき,被告に対し過払金及び過払利息を請求する原告らの本訴請求は理由があるから,主文のとおり判決する。
大阪簡易裁判所 裁判官

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